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# タイトル: 訪問看護のやりがいを感じるとき:感謝の言葉が支えになる瞬間

利用者様のご自宅に伺い、医療的ケアを提供する訪問看護。医療機関とは異なる環境で、一人ひとりに寄り添いながら看護を行う仕事です。時に体力的にも精神的にも厳しい場面がありますが、それを上回るやりがいが訪問看護にはあります。今回は、訪問看護師が日々の業務の中で感じる「やりがい」、特に利用者様やご家族からの感謝の言葉がいかに大きな支えになるかについてお伝えします。

## 自宅という環境だからこそ見える回復の喜び

病院では見ることのできない、利用者様の生活に根ざした回復の過程を目の当たりにできることは、訪問看護の大きな魅力です。

「昨日はトイレまで自分で行けたんですよ」
「久しぶりに家族と一緒に食事ができました」

こうした何気ない日常の変化を共有してもらえる瞬間は、看護の成果を実感できる貴重な機会です。特に長期的に関わる利用者様の小さな進歩に立ち会えることは、何物にも代えがたい喜びです。

## 家族との深い信頼関係

訪問看護では、利用者様だけでなくご家族とも深い関係を築きます。最初は緊張感や遠慮があっても、継続的な関わりの中で信頼関係が育まれていきます。

ある認知症の利用者様のご家族から「あなたが来る日は母が穏やかになるんです」と言われたときは、心から嬉しく思いました。また、終末期ケアを行った後に「最期まで自宅で看取ることができて本当に良かった。あなたがいてくれたから安心できました」という言葉をいただいたときは、訪問看護師としての責任の重さと同時に、この仕事を選んで良かったと強く感じました。

## 「ありがとう」の一言が持つ力

訪問看護の現場では、毎日のケアの後に「ありがとう」という言葉をいただくことがあります。この一言は単なる礼儀以上の意味を持ちます。

特に印象に残っているのは、長期間寝たきりだった利用者様が発熱時の適切な対応により回復された後、握手を求めながら「本当にありがとう。あなたのおかげで生きていられる」と涙ながらに言ってくださったことです。その真摯な感謝の言葉は、疲れていた心に温かさを取り戻してくれました。

## 専門職としての成長を実感

訪問看護は一人で判断し、行動する場面が多い仕事です。そのため、自身の知識や技術の向上が直接ケアの質に影響します。

「前よりも処置が早くなりましたね」
「説明がわかりやすくて、自分でもケアができるようになりました」

こうした言葉をいただくと、自分自身の成長を感じられ、さらなる向上心につながります。専門職として認められる喜びは、訪問看護師としての誇りを高めてくれます。

## 多職種連携の中での評価

訪問看護は、医師、ケアマネジャー、理学療法士など多くの専門職と連携して行う仕事です。カンファレンスなどで「看護師さんの観察のおかげで早期に対応できました」と医師から評価されたり、「いつも詳しい情報提供をありがとうございます」とケアマネジャーから感謝されたりすることも、大きなやりがいとなります。

## チームでの支え合い

一人で訪問することが多い訪問看護ですが、ステーション内のチームワークも重要です。困難事例をカンファレンスで共有し、同僚から「あなたの対応は素晴らしかった」と言ってもらえることは、自信につながります。また、先輩看護師から「成長したね」と認められることも、何よりの励みになります。

## 最後に

訪問看護は決して楽な仕事ではありません。天候に関わらず訪問し、時には厳しい状況にも対応しなければなりません。しかし、利用者様やご家族との深い関わりの中で生まれる感謝の言葉は、そうした困難を乗り越える大きな力となります。

「あなたが来てくれるのを待っていました」
「次はいつ来てくれますか?」

こうした言葉が、訪問看護師としての私たちの歩みを支え、明日への活力を与えてくれるのです。訪問看護のやりがいは、まさにこの「ありがとう」という言葉に凝縮されているのかもしれません。