看護師の悩み110番
【看護師向け】イライラしたときの対処法5選|ラクになる3ステップや根本的な解決方法も紹介
「病棟が忙し過ぎて、いつもイライラしている…」
「人間関係も悪く、ちょっとしたことでもイライラする…」
多忙を極める看護業務の中で、病棟スタッフとのコミュニケーションが思うようにいかず、イライラしている方は多いのではないでしょうか?常に人手不足で負担が増え続け、キャパオーバーだと感じている方もいるかもしれません。
ここでは、イライラするメカニズムや具体的な対策、さらに根本的な解決方法について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
看護師 の93.7%がストレスを感じている
実は、調査結果によると看護師の93.7%がストレスを感じていることがわかっています。マイナビ看護師による「看護師労働実態調査2021」では、59.7%がほぼ毎日、24.3%が週に何度か、9.7%が月に何度かストレスを感じているという結果でした。
さらに、ストレスを感じていると回答した2,676人に、何に対してストレスを感じるのか聞いたところ「上司や同僚との人間関係」が62.8%と最も多かったのです。
病棟内でのコミュニケーションの難しさや、考え方の違いから生じる誤解や対立が根本的な原因として挙げられるでしょう。
人間関係のイライラ がラクになる3つのステップ
人間関係のイライラをラクにするためには、怒りをコントロールすることがポイントです。ここでは、3つのステップを通じてイライラを軽くする方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.自分の怒りを認識する
自分がどのように怒りを感じて行動したのかがわかると、自己認識を深められます。
怒りを書き出すことを「アンガーログ」といいます。ポイントは、怒りを感じたらすぐに書くこと。書くことに意識が向くため、怒りを抑える効果があります。
文章にして認識できるようになると、問題が明確になり解決にもつながるでしょう。感情を外に出して冷静になれる時間を作れるため、ぜひ試してみてください。
2.価値観の違いを受け入れる
価値観の違いは、人間関係において避けられません。特に、職場では対立や誤解のもとになります。
人は同じ状況にあっても、イライラするときとそうでないときがあります。「こうあるべき」という自分の価値観が相手と違う場合、理想と現実のギャップで怒りは起こりやすいのです。
たとえば、患者さまのケアの質を重視する人もいれば、業務の効率を最優先に考える人もいるでしょう。お互いの価値観を認識し尊重することが、イライラを溜め込まないポイント。許容できない場合は、話し合って擦り合わせることが重要です。
3.率直に気持ちを伝える
自分の気持ちを率直に伝えることは、人間関係のイライラを避けるために大切です。ストレスを溜めやすい人は、言いたいことを我慢する傾向があります。我慢することで相手に配慮しているようにも見えますが、相手と対等な関係を築けていないためイライラが爆発する可能性があるのです。
たとえば、業務の多忙さについて同僚とグチを言い合うのではなく、サポートがほしいことや手伝ってもらえると助かることなどを伝えてみましょう。自分にとって必要なことを率直に伝え、問題の解決に向けて前向きなコミュニケーションを図ることがイライラをためない秘訣です。
看護師が人間関係でイライラしたときの対処法5選
とはいえ、自分の心がけだけではなかなか改善しないという場合も多いでしょう。ここでは、簡単に取り入れられるイライラしたときの対処法をまとめました。
1.自然 の中を散歩する
人間関係でイライラしたとき、自然の中を散歩することは有効な対処法のひとつ。自然光の下での散歩は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促す可能性があるからです。セロトニンには気分を安定させストレスを軽減する効果があるため、イライラをやわらげてくれます。
研究によると、自然の中を散歩することはジムで運動するよりもストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌が低く、気分を改善することが示されました。(グントーラ・オラフスドッティル、P. クローク、A. シュルツら 2018年 自然の中を歩くことの健康上の利点: 現実生活のストレス条件下でのランダム化比較研究)
たとえば、休みの日に近所の公園を歩いたり、街路樹が並ぶ道を選んで通勤したりするのもよいでしょう。日々のルーチンに散歩を取り入れ、リフレッシュしてみてください。
2.アロマの香りを嗅ぐ
アロマの香りを嗅ぐと、イライラが落ち着きリラックス効果があるといわれています。香りの分子は鼻から脳に直接伝わり自律神経を刺激するため、心身に快い感覚をもたらすからです。
たとえば、ラベンダーやカモミールなどのようなアロマオイルを使用し、自宅でアロマディフューザーやアロマキャンドルを焚いてみてもよいでしょう。お気に入りのアロマをハンカチやティッシュに数滴垂らすと、仕事の合間でも実践できます。
効果には個人差もあるため、自分に合った香りを見つけることがポイントです。忙しくても気軽に取り入れられるので、ぜひ試してみてください。
3.ストレッチする
ストレッチをすると、ストレスによって緊張した筋肉を伸ばすことで血流が改善し、筋肉がリラックスします。
たとえば、椅子に浅く座って背筋を伸ばしたり、体の後ろで両手腕を伸ばして組んだりするなどは、記録を書く合間でも気軽に実践できる方法です。
ストレッチは体の緊張を和らげるだけでなく、心のストレスも軽くしてくれます。短いストレッチを取り入れながら、心身ともにリフレッシュしましょう。
4.マインド フルネスを試す
マインドフルネスは、現在に集中し、過去や未来を考えることによって引き起こされるストレスから距離を置く方法です。意識的に今この瞬間に集中することで、過去の後悔や未来への不安から離れられます。
研究によると、特に働く人の日常生活におけるストレスやイライラに対して有効である可能性が示されました。(B. クーリー、M. シャルマ、S. ラッシュら
2015年 健康な人のためのマインドフルネスに基づくストレス軽減: メタ分析))
たとえば、朝起きたときや就寝前に数分間ゆっくりと深呼吸をするだけで、今に意識を向けることが可能です。休憩時間のリフレッシュにも役立つでしょう。ぜひ、日常の習慣として実践してみてください。
5.良質な睡眠をとる
良質な睡眠は、イライラ対策に効果があることがわかっています。睡眠が不足すると脳機能の低下を招きストレスに対する耐性が弱まるため、小さなことでイライラしやすくなります。
たとえば、寝る前のスマホやPCの使用を控えることで、眠りを妨げるブルーライトの影響を減らすことが可能です。良質な睡眠によって、脳と身体は十分に休息を得られ、翌日のストレスに対処する準備が整います。
イライラが減り、より穏やかな気持ちで過ごせるようになるでしょう。
ひとりで行動できる「訪問看護」という新しい働き方もある
対処法を試してもイライラが続く場合、環境を変えてみるのもひとつの方法です。たとえば、病棟勤務とは違い、訪問看護では基本的に自分のペースで働くことが可能です。
少人数のチームでの作業や個別対応が中心のため、職場の人間関係によるストレスが少ないといえます。自分の時間を効率的に管理でき、プライベートとのバランスも取りやすくなるでしょう。
また、患者さま一人ひとりとじっくり向き合えるため、仕事のやりがいを感じられるのも大きな魅力。これまでの人生経験やスキルを活かし、地域に貢献する機会が得られます。
人間関係のイライラから解放されるだけでなく、充実した新しいキャリアを築ける可能性があるでしょう。
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