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# 看護師の涙:辛い経験が私を成長させた

医療の最前線で患者さんの生命と向き合う看護師という仕事。白衣を着て颯爽と働く姿は、多くの人にとって憧れの職業かもしれません。しかし、その裏には誰にも見せない涙や苦悩があることをご存知でしょうか。

## 新人時代の挫折

看護師として働き始めた頃、私は知識も経験も未熟でした。急性期病棟での勤務は想像以上に過酷で、次々と押し寄せる業務に毎日必死に食らいついていました。

ある日、担当患者さんの容態が急変しました。その時の私の判断の遅れが、患者さんの状態悪化につながったと先輩看護師から厳しく指摘されたのです。「あなたの観察が足りなかった」という言葉は今でも耳に残っています。

その日、病院の非常階段で声を押し殺して泣きました。「私に看護師は向いていないのではないか」と自分を責め続けました。

## 患者さんとの別れ

長期入院されていた高齢の患者さんがいました。毎日のケアを通して、まるで自分の祖父母のように親しくなっていました。しかし、徐々に容態は悪化し、ある朝、その患者さんは永眠されました。

エンゼルケアをしながら、「もっと何かできたのではないか」という思いと、「安らかな顔で旅立たれて良かった」という感情が入り混じり、涙が止まりませんでした。

患者さんの死に直面するたび、私たち看護師は感情を抑えながら業務を続けなければなりません。それは時に、とても孤独で辛い経験です。

## チーム内の人間関係

医療現場はチームワークが命です。しかし、時に人間関係のストレスも大きいものです。夜勤の引き継ぎで情報伝達がうまくいかず、先輩看護師から強く叱責されたこともありました。

多忙な業務の中で生じる摩擦や、世代間ギャップによる価値観の違い。これらは看護師として働く上で避けられない課題です。時には理不尽さを感じて、自宅に帰ってから涙することもありました。

## 成長へのターニングポイント

こうした辛い経験の連続の中で、私を支えてくれたのは同期の看護師や理解ある上司の存在でした。「辛いのはあなただけじゃない」「みんな同じ道を通ってきた」という言葉に何度救われたことでしょう。

また、回復していく患者さんからの「ありがとう」の言葉や、「あなたがいてくれて安心した」という家族からの感謝の言葉が、私を看護師として立ち直らせてくれました。

## 涙から学んだこと

今振り返ると、これらの辛い経験や流した涙は全て私を成長させてくれたものだと感じます。

1. 挫折から学ぶ観察力と判断力
2. 患者さんとの別れから学ぶ生命の尊さと医療の限界
3. 人間関係の困難から学ぶコミュニケーションの重要性
4. 感情労働としての看護の本質

看護師という仕事は、技術や知識だけでなく、人間としての成長も求められる職業です。涙を流した経験が、患者さんへのより深い共感や理解につながっていると実感しています。

## これから看護師を目指す方へ

看護師の道は決して平坦ではありません。時に涙し、挫折を感じることもあるでしょう。しかし、その一つ一つの経験が、あなたを素晴らしい看護師へと成長させてくれるのです。

辛い時は一人で抱え込まず、同僚や先輩に相談することも大切です。また、自分自身のメンタルヘルスケアも忘れないでください。

看護の道で流す涙には、悲しみだけでなく、感動や成長の証としての涙もあります。どんな涙も、あなたの看護師としての歩みを豊かにしてくれるはずです。

看護師という職業に誇りを持ち、共に成長していきましょう。