看護師の悩み110番

訪問看護のやりがいを感じる日々:感動のエピソード
訪問看護という仕事に携わって感じる喜びや感動を皆様にお伝えしたいと思います。日々の業務の中で出会う心温まるエピソードは、私たち看護師の大きな励みとなっています。
特に印象に残っているのは、脳梗塞の後遺症で寝たきりだった80代の男性との関わりです。はじめは声かけにも反応が少なく、ご家族も心配されていました。しかし、毎日のリハビリと声かけを続けるなかで、少しずつ表情が豊かになり、やがて言葉を発するようになりました。
半年後、その方は車椅子に座って庭の花を眺められるまでに回復されました。ご家族と一緒に外の空気を吸う姿を見たときの喜びは、今でも鮮明に覚えています。「ありがとう」と言われた時の笑顔は、何物にも代えがたい宝物です。
また、終末期のがん患者様のケアでは、その方の人生の最期に寄り添えることの重みを実感します。痛みの緩和はもちろんですが、心のケアも大切な役割です。「あなたが来てくれて本当に心強い」という言葉をいただくと、この仕事の意義を強く感じます。
訪問看護では、医療的なケアだけでなく、生活支援も重要な役割です。食事の工夫や住環境の整備など、その方らしい暮らしを支えることができます。
時には厳しい場面もありますが、患者様やご家族との信頼関係を築き、共に歩める喜びは何物にも代えがたいものです。在宅での療養を支える訪問看護は、これからの医療において更に重要性を増すことでしょう。
一人一人の生活に寄り添い、その方らしい人生を支える。それが訪問看護の醍醐味であり、最大のやりがいなのです。これからも、患者様とご家族の笑顔のために、精一杯努めていきたいと思います。