看護師の悩み110番

訪問看護師が語る!心に残る患者さんとのエピソード
訪問看護の現場では、日々さまざまな出会いと別れがあります。今回は、私が経験した心温まるエピソードをお伝えしたいと思います。
独居の80代女性の患者さんとの思い出は、特に印象に残っています。最初は医療処置と体調管理が主な目的でしたが、次第に信頼関係が築かれていきました。
毎週の訪問時、その方は若い頃の思い出話を聞かせてくださいました。戦後の苦労話や、看護師として働いていた経験談など、貴重なお話の数々。特に印象深かったのは、その方が昔勤めていた病院での体験談でした。
体調が悪い日でも、いつも前向きな姿勢を忘れず、「あなたが来てくれるのを毎週楽しみにしているのよ」と笑顔で語ってくださいました。私たち訪問看護師にとって、このような言葉は何よりの励みとなります。
また、認知症の男性患者さんとの関わりも忘れられません。最初は警戒心が強く、訪問を拒否されることもありました。しかし、毎回の訪問時に趣味の野球の話題を出すことで、少しずつ心を開いてくださいました。
その方が元気だった頃に撮影した野球チームの写真を見せていただきながら、かつての試合の様子を生き生きと語る表情は、今でも鮮明に覚えています。
訪問看護の醍醐味は、このような患者さんとの心の交流にあります。医療的なケアはもちろん大切ですが、一人一人の生活に寄り添い、その方の人生に触れることができる私たちの仕事は、とても意義深いものだと感じています。
時には辛い別れもありますが、患者さんやご家族から学ばせていただくことは数多くあります。「ありがとう」という言葉、心からの笑顔、些細な体調の改善など、小さな喜びの積み重ねが私たちの原動力となっています。
訪問看護は、医療と生活の両面から患者さんを支える大切な仕事です。これからも一人一人の思いに寄り添いながら、より良い在宅ケアを提供していきたいと考えています。