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# 訪問看護師に転職して感じたやりがいと課題

病院勤務から訪問看護の世界へと飛び込んで、新たな看護の形に出会った日々について綴ってみたいと思います。

## 訪問看護師への転職を決めた理由

私が訪問看護師への転職を考えたきっかけは、病院勤務時代の「その後」を知りたいという思いでした。入院患者さんが退院した後の生活に興味を持ち、医療機関の外で看護を提供する仕事に魅力を感じたのです。

また、病棟での業務に追われる毎日から、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合える環境を求めていました。時間に追われず、患者さん本位のケアを提供できる点に惹かれ、転職を決意しました。

## 訪問看護で見つけた新たなやりがい

1. 「生活」を支える看護の深さ

訪問看護の最大の魅力は、患者さんの生活の場で看護を提供できることです。病院では見えなかった患者さんの本当の姿、家族との関係性、生活環境など、全人的に理解した上でのケアが可能になります。

例えば、ある認知症の患者さんは病院では落ち着かない様子でしたが、自宅では趣味の園芸を楽しみながら穏やかに過ごされていました。その方の生活スタイルを尊重しながら医療的ケアを提供できる喜びは、病院勤務では味わえなかったものです。

2. 自律した看護実践

訪問看護では、自分自身の判断と責任でケアを行う場面が多くあります。医師との連携は欠かせませんが、現場での判断は看護師に委ねられる部分が大きいのです。

この自律性は時に重圧を感じることもありますが、専門職としての成長を強く実感できる側面でもあります。自分の看護観を形にできる喜びは何物にも代えがたいものです。

3. 多職種連携の醍醐味

訪問看護では、ケアマネージャー、理学療法士、医師など多職種と密に連携しながら患者さんを支えていきます。それぞれの専門性を尊重し合いながら、チームで一人の患者さんを支える体制づくりは、非常にやりがいを感じる部分です。

特に在宅でのターミナルケアでは、多職種の力を結集し、患者さんが望む最期を迎えられるよう支援できた時、看護師としての存在意義を深く実感します。

## 訪問看護師が直面する課題と乗り越え方

1. 一人で判断する不安との向き合い方

訪問先では一人で判断を迫られる場面が多く、特に経験の浅い頃は不安を感じることがありました。この課題に対しては、常に事務所と連絡が取れる体制を整え、判断に迷った際には躊躇なく相談するようにしています。

また、定期的なカンファレンスで事例検討を重ね、判断力を磨いていくことも大切です。一人で抱え込まず、チームの知恵を借りることが重要だと感じています。

2. 時間管理と移動の工夫

訪問件数や移動距離によっては、予定通りに進まないことも少なくありません。急な容態変化で訪問時間が延びることもあれば、交通事情で遅れることもあります。

この課題には、余裕を持ったスケジュール調整と、訪問ルートの効率化が欠かせません。また、患者さんやご家族にも訪問時間が前後する可能性を予め伝えておくことで、互いにストレスなく対応できるようになりました。

3. 患者・家族との距離感

訪問看護では、患者さんの生活に深く関わるため、適切な距離感を保つことが難しい場合があります。特に長期間関わる患者さんとは家族のような親しさになることもありますが、専門職としての客観性も大切です。

この課題には、常に自分の立ち位置を振り返る習慣と、時には同僚からの客観的なフィードバックを受けることが助けになります。患者さんを支えるという目的を見失わないよう、自己の感情と向き合いながら関係性を構築しています。

## 訪問看護師に求められるスキルと心構え

訪問看護師として働く中で、以下のスキルや心構えが特に重要だと実感しています:

1. **臨機応変な対応力** – 予期せぬ状況に遭遇しても冷静に判断できる力
2. **コミュニケーション能力** – 患者さんやご家族、多職種との円滑な意思疎通
3. **自己研鑽の姿勢** – 常に新しい知識や技術を学び続ける意欲
4. **プライバシーへの配慮** – 患者さんの生活の場に入る責任の自覚
5. **体力と健康管理** – 移動が多い業務を継続するための自己管理

## 訪問看護の未来と可能性

高齢化社会が進む中、在宅医療・在宅看護の需要は今後ますます高まっていくでしょう。訪問看護師は単なる医療提供者ではなく、地域包括ケアシステムの重要な担い手として、その役割はさらに拡大していくと感じています。

テクノロジーの進化により、オンラインでの健康管理や遠隔モニタリングなども取り入れながら、より効率的で質の高いケアを提供できる可能性も広がっています。

## 最後に:訪問看護師を目指す方へ

訪問看護の世界は、課題もありますが、それ以上に得られるものが大きい仕事だと感じています。病院とは異なる「生活の場での看護」に興味がある方、自律した看護実践を望む方、そして何より患者さんの「その人らしさ」を大切にしたケアを提供したい方にとって、非常にやりがいのある道だと思います。

転職を考えている看護師の方には、まずは見学や短期研修などで訪問看護の実際を体験してみることをお勧めします。そこで感じる手応えが、新たな一歩を踏み出す勇気になるはずです。

患者さんの生活に寄り添