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「行きたくないあの部署へ異動の打診があってショック…」

「もう50代なのに、今さら違う部署で仕事を覚えなきゃいけないの?」

「人間関係に気を遣って新しい環境に適応するのはムリ…」

新年度に向けて慣れていた部署から突然異動の打診を受けてしまい、戸惑っている看護師の方は多いのではないでしょうか?異動先で業務を覚えたり人間関係を築いたりして、一から積み上げなければいけないことを考えて悩んでいる方もいるかもしれません。

「退職」という言葉が脳裏に浮かぶ人事異動の季節。ここでは、看護師の部署異動によるストレスの原因や年齢との関係、ストレスを乗り越える方法について紹介します。

看護師の部署異動による3大ストレス

看護師が部署異動で感じる悩みは、おもに次の3つが挙げられます。

1.新しい業務を覚えるハードルが高い

新しい部署で業務を一から覚えることは、誰しもかなりの負担がかかります。同じ病院内でも、これまで覚えてきた業務があまり活かせないこともあるでしょう。たとえば、病棟から外来に異動になった場合、電子カルテの操作方法から短時間での患者対応、処置の頻度など業務の性質が大きく異なります。

最初のうちは、スタッフの名前や物品の配置などを覚えることから始まるでしょう。スタッフの性格や仕事の進め方、全体的な雰囲気などを理解するまで、まるで先輩ナースの顔色を伺う新人のような気持ちで過ごすことになるかもしれません。経験豊富なベテラン看護師であっても、さまざまなハードルの高さからストレスを感じます。

2.人間関係に適応するのが大変

職場での人間関係がリセットされてしまうことも、大きなストレスのひとつです。元々人間関係が悪かった場合は、環境を変えるきっかけとして前向きに捉えられるでしょう。しかし、いろいろ問題はあるものの安定した人間関係を築いていた場合、新しい環境に身を置くことを考えるだけで気が重くなるという方もいるかもしれません。

異動先でこれまでのように経験豊富な看護師として周囲が扱ってくれるのか、チームのメンバーとして輪の中に入っていけるのか、不安がよぎるという方も多いでしょう。休憩の入り方から微妙な力関係、わからないことを誰に聞けばいいのかなど、新たな場所で慣れていく過程は、ストレスを感じる原因になります。

3.行きたくない部署だからモチベーションが下がる

元々異動を望んでいない場合や、希望しているところとは違う部署に異動の打診をされた場合、やる気がなくなりストレスを抱えることになります。特に、異動先の人間関係が良くないという噂を聞いていたり、苦手な看護師がいたりする場合などは、気が重いでしょう。

数年は我慢して働かなければならないと考えると憂うつになり「もう辞めたい…」と感じてしまうかもしれません。「なぜわたしが異動になるの?」という思いがよぎってモチベーションが下がり、ストレスにつながります。

【50代】看護師の部署異動によるストレスと年齢の深い関係

看護師の異動時におけるストレスの研究によると、特に異動後1年未満の看護師は「看護技術や知識・処置に対してストレスを強く感じている」ということが示されました。

また、同じ異動でも、年代によってストレス度に大きな違いがあることも明らかにされています。30代が心身ともに充実した年代とされる一方、40代後半から50代になると心身の衰えとともに環境変化への適応が難しくなる可能性があるということがわかっています。(松浦恒仁ら2008)

特に50代になると異動先でもベテランと見られるため、プレッシャーもかかります。今までは何かと頼られる存在だったのに、周囲のスタッフに業務を教えてもらう必要があるというギャップを乗り超える必要もあるでしょう。

しかし、異動は長い目で見ると成長のチャンスでもあります。時期が訪れれば、異動して良かったと思える日が来るかもしれません。普段は思い出すことがない新人のころの気持ちがよみがえってきて、新人ナースの気持ちを理解できるようにもなるでしょう。

看護師の部署異動によるストレスを乗り越える方法4選

自分のストレスの原因を理解することは、とても重要です。ここでは、感じているストレスを具体的に知った上で乗り越える方法について見ていきましょう。

1.異動先の情報収集をする

異動が決まったら、新しい部署の情報収集をしましょう。事前に情報を集めることで、不安を軽減することが可能です。

たとえば、異動先で働いていた経験のある人に直接話を聞くことで、今のリアルな人間関係や雰囲気、業務の流れ、実際に働きやすいかどうかなどがわかります。ツテがない場合は、上司を通して異動先の上司やスタッフに話を聞くこともできるかもしれません。

2.異動先の上司やスタッフに挨拶しておく

良い人間関係を築くためにも、異動する前に新しい上司やスタッフに挨拶しておきましょう。たとえば、ロッカーで一緒に顔を合わせたときや休憩時間にすれ違ったときなど、軽く自己紹介しておくと相手が受ける印象も良くなります。

挨拶によって相手に対する好意を示すと、その好意は返報性の原則によって良好な関係の構築につながるでしょう。人は誰でも周囲からの承認を求めているため、挨拶によって安心感が得られ居場所を見つけることが可能です。

3.異動のメリットを整理する

異動は悪いことばかりではありません。ストレスだらけとしか思えない異動にも、必ず何らかのメリットが存在しているはずです。同じ部署に長く居続けていると毎日の業務がルーチン化してしまい、成長が止まってしまう場合もあるでしょう。

たとえば、異動によって新しい同僚に出会うため、さらに広いネットワークを築くことも可能です。今までとは異なる業務に関わることで、キャリアが広がる機会になるかもしれません。また、新しい環境に適応すること自体が自分の成長につながるでしょう。

4.上司に相談してみる

異動がつらく悩んでいる場合、一度上司に相談してみるのもひとつの方法です。たとえば、更年期による体調の変化や高齢の親の介護問題など、課題が生じやすい時期でもあります。

相談する場合、何に悩んでいるのかを正直に伝えましょう。異動による適応が難しい可能性があり、職場のサポートが必要であることを説明してみてください。

基本的に部署異動のストレスがない「訪問看護」という働き方

訪問看護ステーションでは病院と異なり、基本的に固定のステーションに所属することが多いです。地域の患者さまをサポートするため、他のステーションへの異動は少ないといえます。

訪問看護師は、ひとつの地域やコミュニティに深く根ざしたケアを提供することが可能です。望まない異動によるストレスがなく、長期的に患者さまとの関係を築きやすいという特徴もあります。もし部署異動を機に「この際、病院をやめようかな…」と思っているなら、訪問看護を目指すという選択肢も検討してみるとよいでしょう。

2023年4月に開業した日野市の訪問看護ステーションスマイルでは、一緒に働く仲間を募集しています。当ステーションの雰囲気や働き方を知りたい方のために、見学も大歓迎です。50代の方だけでなく、60歳以上の方も活躍しています。異動にストレスを感じている方や今後のキャリアに迷っている方は、ぜひ一度お越しください。

ご興味がある方は、お気軽にこちらからお問合せください。

参考文献

・松浦恒仁, 西尾由香理, 澤合史絵, 中林真織, 岡本光子 (2008). 女性看護師の勤務異動時におけるストレス因子と勤務属性との関連. 富山大学看護学会誌, 第7巻2号


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